シリーズ『くすりになったコーヒー』


 以前に書いたように(第318話を参照)コーヒーを飲んでいる人は術後の肥立ちがよいという論文が複数あります。表1と表2は回腸手術の術後経過を、カフェイン入りとデカフェで比較したものです。また表3は婦人科癌の場合です。データのうち赤字で示す数字は統計的に有意差が認められた項目で、デカフェの方がカフェイン入りより優れているようですし、消化管以外の婦人科癌ではコーヒーの効き目が優れていることが伺われます。


 さて今日紹介するのは表1〜3以外のデータも含めて、これまでに発表された論文を全部まとめたメタ解析論文です。結論は次のようになりました。


●毎日コーヒーを飲む習慣と術後の入院期間の関係を正確に知るには、もっと客観的で正確な評価方法を考える必要がある(詳しくは → こちら)。


 なるほど、確かにその通りだと思います。表に書かれている蠕動運動は聴診器で蠕動音(腹鳴)を聞いての判定だし、放屁(おなら)は自己申告、排便の個人差は大きいだろうし、固形食には食事時刻のズレがありそうです。更に入院日数となると、日曜日の関係とか家庭の事情とか、体調以外の要因が重なりそうです。あれこれありますから、論文の著者が書いているように、個人差が出来るだけ少ない医学的な判定方法を考えて、研究の出直しが必要になりそうです。


●入院日数は医療費に係るので、地味ですが大事な研究と言えそうだ。


 研究方法さて置いて、入院中のコーヒーが許されるようになれば、患者のQOLの上昇は間違いなさそうです。ただし1つ問題は、コーヒーの香りが「嫌だ」と感じる人も多いので、相部屋で「禁止」は止むを得ないことと思います。



(第370話 完)


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