シリーズ『くすりになったコーヒー』
東洋(伝承)医学の証(しょう)とは、西側(現代)医学の何を指して言うのでしょうか?
●葛根湯の証(しょう)と言った場合には、葛根湯が効く人の身体の特性のことです。
●コーヒーの証(しょう)と言った場合は、(取り敢えず今は)コーヒーを飲んでいると罹患リスクが下がる病気のことです。
では、コーヒーを飲んでいると罹患リスクが下がる人に、そうでない人と異なる特性があるでしょうか? 疫学調査には、そこまで詳しい調査はありません。しかし、その特性を言い当てることができれば、コーヒーの証(しょう)を、東洋医学に習って定義できると思われます。でも今はまだその時期ではありません。
いずれ答えが出るとしても、今はもっと現実的に、コーヒーと漢方薬の違いをまとめておきます。
【コーヒーと漢方薬の違い・その1】
1.漢方薬の商品分類は「医薬品」であるが、コーヒーは身体に良い「飲料」である。
2.漢方薬の値段(医療用)には「薬価基準」があるが、コーヒーは自由価格である。
3.漢方薬の品質は「薬事法」で規制されているが、コーヒーは「生産者任せ」である。
4.漢方薬の販売には「国家免許」が必要だが、コーヒーは「保健所」の許可でよい。
5.漢方薬は「証を診断」して選ぶが、コーヒーは「好き嫌いの自己判断」で選ぶ。
6.漢方薬は「証に合った処方」を選ぶが、コーヒーは「好きなブレンド」を選ぶ。
7.漢方薬は「指示通り」に飲むが、コーヒーは「飲みたくなったら」飲む。
8.漢方薬は「子供」でも飲まされるが、コーヒーは「大人だけ」の飲みものである。
9.漢方薬の効果は「病気の治癒」で決まるが、コーヒーは「健康の維持」で決まる。
【コーヒーと漢方薬の違い・その2】
1.コーヒーが美味しいと言って飲む人は多いが、漢方薬が美味しいと言う人は少ない。
2.コーヒーの香りは人を引きつけるが、漢方薬の匂いに人が集まることはない。
3.コーヒーは健康な人ほど多く飲むが、漢方薬は病人ほど多く飲む。
4.コーヒーは自分勝手に飲むが、漢方薬は名医に処方してもらわないと効かない。
5.コーヒーは一度飲んだら病みつきになるが、漢方薬は病気が治れば飲みたくない。
6.コーヒーの淹れ方にはお国柄が出るが、漢方薬は何処でも同じである。
7.コーヒーを淹れるには職人技が必要だが、漢方薬を飲ませてくれる専門家はいない。
8.コーヒー産地は未だに開拓中だが、漢方薬の産地に新開拓の気配はない。
9.コーヒーは進化するが、漢方薬は古典を堅持する。
ざっとこんな具合ですが、なるほどと納得のところも沢山あると思います。考えればもともっと沢山差があるとも思います。今日はこれくらいにしておきますが、こういうコーヒーの証(しょう)ですから、日常生活の中にもっともっと無意識に浸透してくれることを期待したいものです。
●コーヒーの証(しょう)とは、無意識のうちに病気に罹らない身体を作る不思議な特性のことである。
(第103話 完)
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どちらも同じことを言っています。
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日々店頭に立つ薬剤師には「患者説明の豊富なヒント」、製薬会社のMRには「社会学的くすりのエビデンス」、アカデミアの研究者には「目から鱗の研究テーマ」、そして一般消費者には「確かな情報」を提供します。NHKスペシャルで大反響のレスベラトロールなど、ほんの一部に過ぎません。