シリーズ『くすりになったコーヒー』


 今年のお正月に、千葉県の普通のマンションのベランダで、コーヒーノキが青い実をつけたという話を書きました。それからほぼ半年たって、コーヒーチェリーになりました。


 見てください!たった2粒ではありますが、真っ赤に熟れた実が今にも落ちそうに色づきました。



 ご存知のように、コーヒーノキは赤道を挟んで南北25度の熱帯地方で実ります。日本では、木は枯れずに大きくなっても実がなることは滅多にありません。実ができるとしたら精々沖縄か九州地方の、冬でも温暖な地域だけです。ましてや千葉県ではハウス栽培でやっとのことです。


 鈴木さんのベランダで、どうしてコーヒーチェリーが実ったのでしょうか?いくら聞いてみても、「ある日、気がついたら青い実がついていた」のです。でもそれからというものベランダを整理して、なるべく日が当たるようにして、赤くなる日を待ち続けたというわけです。


 鈴木さんのベランダをよく見てみますと、ハイビスカスの花も咲いています。まるでハワイに居るような景色です。これが千葉県のベランダだとは、とても信じられない景色です。でも間違いありません。これは正真正銘の千葉県にある普通のマンションの景色です。



 鈴木さんの家ではこれを機会に世紀の大実験を開始しているのだそうです。


●実験の内容


1.2つの実が小鳥に食べられないように気を配る。


2.もし食べられてしまったら、食べた小鳥がカフェインで興奮しているかどうか観察する(詳しくは → 珈琲一杯の薬理学)。


3.自然落下したら種をまいて芽を出させて育てる。


4.3年ごとに世代交代を繰り返して、たくさん実をつける木に育てる。


 さて、如何なものでしょうか。地球温暖化が続く今日、地産地消のコーヒーを千葉県で楽しむ日が本当にやって来るでしょうか。興味津々で朗報を待ちたいと思います。


(第99話 完)


栄養成分研究家 岡希太郎による
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