シリーズ『くすりになったコーヒー』
前回紹介した高木式「うるおいドリップ((詳しくは → こちら 」)の変法です。
まずはイタリアンかフレンチローストの真っ黒な豆をご用意ください。深煎りが苦手な人にとっては、「苦いから嫌い」な豆を思い切って買う勇気が必要です。ただし、飲んでみて「やっぱり嫌い」と言われても、そのときは、「以前より少しは益し」と思って、ご勘弁のほど願います。
次に写真のようなハーブティー用ティーポットと、普段使っているコーヒー用ペーパードリップをご用意ください。ちなみに我が家には、よくあるラベンダー模様のポットがありました。コーヒー模様のポットが欲しかったのですが、ありませんでした。
さて、4杯分の本番です。
(1)コーヒー顆粒40グラム(4杯分)をポットに入れる。
(2)沸かした湯200ミリリットル(通常の2分の1量)を入れて混ぜる。
(3)蓋をして正確に4分間放置する。
(4)途中2分後にかき混ぜて、また放置する。
(5)4分経ったら一気にペーパードリップに注ぎ込む。
(6)抽出液に200ミリリットルまたはやや多めの湯を加えて4杯分とする。
これで出来上がりです。普通にペーパードリップで淹れたコーヒーより、嫌な苦味が抜けているはずです。一体何が起こったのでしょうか。
【原理】最初にお湯を加えると、旨味も苦味も溶け出してくるが、4分の間に嫌な苦味は再び顆粒に吸着するので、出来上がった抽出液から嫌な苦味(身体によくない雑味)が消えている。
「4分間放置」という条件は、高木氏が色々試した結果です。これより短くても長くても、最適な味にはなりません。この淹れ方でロブスタの豆を淹れてみますと、何となく飲めるようになりました。少なくとも、口に含んだ途端に吐き出してしまう嫌な味は薄れました。
最後にお断りですが、この方法を深煎り以外に応用しても、全く役に立ちません。あくまでも深煎り専用の淹れ方です。
(第91話 完)