シリーズ『くすりになったコーヒー』
今から千五百年も前、エチオピア高原に住んでいた人々は、コーヒーの生豆を漢方薬のように煎じて飲んでいたとのことです。
●原始コーヒーの淹れ方は「生豆を煎じること」でした。
コーヒーの生豆は水を含んで固いので、煎った豆のように粉に挽くことはできません。固いまま煎じるならば、ごく弱火でじっくりと煮込みます。
【淹れ方 1】
生豆1人前10〜15グラムを水道水でよく洗う。
小さめの鍋に入れて、200ミリリットルの水を加えて一旦強火で加熱する。
沸騰したら火を弱める。
ごくごく弱火で1時間かけてゆっくりと100ミリリットルまで煮つめて終わり。
【淹れ方 2】
生豆1人前10〜15グラムを水道水でよく洗う。
小さめの鍋に入れて、100ミリリットルよりやや多めの水を加える。
一晩寝かす。
豆が膨らんだら火にかけて、15分ほど弱く煮沸して、やや煮詰まったら終わり。
【味の特徴】
苦くない。
ほのかに甘い。
やや感じる程度の独特の匂いがあるが、煎ったコーヒーの香りはしない。
薬だと思って飲めば、飲める。
10人中の1〜2名が「美味しい」と言う。
【飲み方】
暖かいまま飲んでもよいし、冷やして飲むのも好き好きです。
味つけも全く自由に、砂糖で甘くしてもよし、レモンで酸っぱくするもよし。
野菜ジュースやサラダに入れるもまたよし。そのときは大匙一杯のオリーブ油(エキストラバージン)を加えて飲んだり食べたりすれば、開通快便間違いなし。
【その他の効き目】
カフェインで目が覚める。
カフェインで尿意を催すことがあるので、寝がけには飲まないほうが無難。
クロロゲン酸たっぷりなので、血圧が下がること間違いなし(第71話を参照)。
クロロゲン酸の降圧効果が出るまで、毎日飲んで2週間はかかります。
トリゴネリンで物忘れ解消するかも知れません(確かなエビデンスではありませんが→ こちら )
マグネシウムは、昆布、ワカメに次いで多い。
エチオピアとアラビア半島で、コーヒー生豆は胃のくすりだった。
【お奨め】
血圧が高めの人は、一度は試してみる価値があります。
今のところ商品化されていませんので、自分で作るしかありません。
【注意】
効き目は人によって異なりますから、豆の分量は加減してください。
降圧薬との飲み合わせなどエビデンスはありません。
(第87話 完)