まだ若いのに階段を上るのが億劫になったという20代女性のために、本物のダイエットコーヒーはどれかを教えます。


 コーヒーの人気にあやかって、世にも珍しい混ぜ物(添加物)を入れたダイエットコーヒーが売れています。そのくせ本物コーヒー(添加物0)がダイエットによいと新聞に書かれてもTV放映されても売り切れ品薄になることはありません。庶民は本物なんかよりとてつもなく変なものに興味があるようです。


 それは兎も角、コーヒーのダイエット効果はお墨付きです(第6話)。ただし太鼓判ではありません。何故かというと、「何杯飲んだら何キロ痩せる」というように結果を数字で書けないからです。
 

 ごく普通の食べ物のなかで糖尿病を予防するものはダイエットにも有効です。逆も真なりで、ダイエットによい食べ物は糖尿病を予防してくれます。では何がそうかと言いますと、「糖尿病予防の5大栄養素」がそのまま「ダイエットの5大栄養素」になるのです。


●植物脂肪
●不飽和脂肪酸
●穀物繊維
●マグネシウム
●カフェイン


次に、こういう栄養素をたっぷり含む食品は? と言いますと、


☆☆☆ 全穀


☆☆☆ コーヒー


というわけです。☆☆☆はミシュランではありませんが、栄養学会お墨つきという意味です。


 ちょっと注意しておきますが、いくら植物脂肪がいいからといって天ぷら油をたくさん食べてもダイエットにはなりません。何故なら、食べなければ栄養失調になってしまう油どうしを比べてみれば、動物系より植物系の方がよいという意味だからです。


 話を変えて世界の飲み物を見てみますと、紅茶だったらイギリス人、緑茶なら日本人というふうに、国ごとに人気の飲み物がありますが、では世界の飲み物は? と聞かれたら、「それはコーヒー!」と答える以外ないのです(この続きを読みたい人は「珈琲一杯の薬理学」)。


 そこで商魂たくましく、世界一ダイエット効果のある「コーヒー」に、奇想天外な変なものをちょっとだけ加えて、味も香りも人気のコーヒーでありさえすれば、「世にも稀なるダイエット飲料」ができるのです。好奇心の強い女性なら一度は飲みたくなるでしょう。


 日本のこんにゃく、アンデスのヤーコン、アメリカのチコリ、ヨーロッパのタンポポ、何となく身体に良さそうな意外なものが添加物になっています。


 それだけでは物足りないという商品には、ビタミンとミネラルを追加して、それでも不足ならお茶と紅茶も混ぜて、カテキンだのQ10だのてんこ盛りのダイエットコーヒーともなれば、もう食欲減退かと思いきや、コーヒーの残り香がゲテモノ感を消してくれます!


●正に「偉大なるかなコーヒー」であります。


 ダイエットコーヒーの添加物はほぼ例外なく身体に良さそうな食物繊維。でもよく考えてみて下さい。繰り返しますが、食物繊維でダイエットに有効なのは「全穀の繊維」だけです。どうして「全穀ブレンドコーヒー」が商品化されないのでしょうか?


 その答えは簡単です。薬でもそうだったように、主食の穀類を加えても、そんなコーヒー誰も買わず、パンやご飯の後に普通のコーヒー一杯飲んで終わりだからです。


●ダイエットコーヒーが効く訳は、添加物のせいではありません。コーヒーそのものの効き目です。


 さて、ちょっと古い資料ですが、アメリカ人向け栄養指導をご存知ですか? これはつまりは日本食の勧めです。日本には昔から膵臓を傷めず、インスリンを増やしてくれる自然の恵みがあったのです。


 ただし唯一の欠点として日本食にはコーヒーが欠けていました。そこで日本食にアフリカ原産のコーヒーを加えれば完璧なダイエット食になるのです。そうそう、近頃は和食の後にコーヒーを注文する女性客が増えているのだそうです。


(第7話 ダイエット編 完)


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