シリーズ『くすりになったコーヒー』
コロナに明けコロナに暮れた1年でした。それでもコーヒー文化がすたれることはありません。「コーヒーがコロナに効く」との初夢を見て、それが正夢になることを期待している年末です。
皆さん、良い年をお迎えください。
【解説】
1.医薬品ニコチン酸の販売中止でコーヒーが供給源の断凸1位に
㈱トーアエーヨーは経口薬の販売中止に続いて、注射薬の販売も中止するとのこと。これで国内のニコチン酸製剤はすべて市場から消えることになりました。コーヒー、ヒラタケ、大粒ピーナッツが、ニコチン酸摂取の三種の神器になります。
2.医薬経済社「希太郎ブレンド」の意匠登録を取得
NHK番組「美と若さの新常識」収録中に、ディレクターが命名した「希太郎ブレンド」の意匠登録を、㈱医薬経済が取得し、販売を開始しました。
3.コーヒー健康科学、疫学から臨床試験に軌道変更
前世紀半ばに始まった「コーヒーと健康」の疫学研究が、「全死亡リスクを軽減する」との論文発表を契機に、「コーヒーのヒト試験、臨床試験」へと舵を切った模様です。
4.コーヒーが寿命を延ばす主作用はニコチン酸のビタミン作用
1937年にビタミンB3に指定されたニコチン酸が、補酵素NADを介して加齢疾患を予防し、寿命を延長することが明らかになりました。
5.ニコチン酸臨床試験でミトコンドリア・ミオパチーの治療に成功
指定難病のMMの治療にニコチン酸が投与され、ほぼ4ヶ月で回復するとの臨床試験パイロットスタディーの結果が発表されました。
6.コーヒーのメタボロミクス研究でクエン酸回路が浮き彫りに
コーヒーを飲んだ後の時間尿を分析した結果、最も大きな変化を示したのはクエン酸回路の代謝物の増加。NADを介する変化と考えられます。
7.NAD欠乏の高齢者ほどコーヒー・ニコチン酸の効果が出易い
ニコチン酸はNADブースターの1つですが、効率よくNADに変化する条件として、NADが欠乏している個体であることが判明しました。
8.心筋梗塞経験者がコーヒーを飲んでも再発リスクは上がらない
コーヒーを飲んでいる人は心疾患に罹患しにくいことに加え、心筋梗塞発作の経験者がコーヒーを飲んでいると再発リスクが軽減すると発表されました。
9.コーヒーのアクリルアミドは膵臓癌の原因にならない
コーヒーを飲んでいても膵臓癌リスクに変化が無いことは知られていましたが、コーヒーに含まれているアクリルアミドが発癌を誘発することはないと発表されました。
10.ニコチン酸はSARS-CoV-2主要タンパク質に結合する最小分子と判明
新型コロナウイルスが増殖するには主要タンパク質MPROの消化酵素活性が鍵になります。ニコチン酸はMPROに結合して酵素活性を阻害する最小の分子であるとの論文が発表されました。実際の効果は不明です。
(第430話 完)
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