シリーズ『くすりになったコーヒー』


●インスタントコーヒー(IC)のカリウム(K)含量はレギュラーコーヒー(RC)の55倍!

 だから、K不足の人は毎日ICを飲めば安心です。血圧は上がらないし、心臓にも良い・・・どう読んでもフェイク記事なのに、個人やクリニックのブログに頻繁に引用されています。RCにとっては迷惑千万な事件です。

 しかし、ネットに反論がありません。何故か分かりませんが、このまま放っておくと、血圧を心配する人がICを飲み過ぎて、高カリウム血症を起こすかもしれません。そうなると次のような症状に見舞われてしまいます。


筋力の低下(脱力感)

不整脈

吐き気、嘔吐

しびれ、感覚障害 など


●ICの飲み過ぎで高K血症などとは聞いたことがない。

 そこで先ず「情報の出所」を調べました。食品成分の、特に栄養成分のデータベース(DB)を管理している国の機関は文科省か農水省でしょうから、手間は掛かりません。案の定すぐに見つかりました。このDBに「55倍の手掛かり」があれば一件落着となるはずです。


●文科省HPにある「食品成分データベース(詳しくは → こちら )」が、どうやらフェイクの源らしい。

 データベースのHome(検索ページ)を開くと、食品の名前を書き込む欄があります。ここに「コーヒー」または「こーひー」と打ち込みます。すると、色んな種類のコーヒーが並んでいるので、末尾が「浸出液(RCのこと)」と「インスタントコーヒー」の、かなりややこしい2つを選びます。このまま「結果を表示」をクリックすると、一般成分のみが表示されるので、「カリウム」を追加表示するために、他の成分を表示したい「表示成分選択」をクリックします。そして「カリウム」にチェック☑を入れて、最後に「結果表示」をクリックすると図のような画面が現れます。この図には筆者の書き込みが、四角で囲って入っています。


 

 ここで注意しなければならないことは、浸出液とは「豆10gを100mL(≒100g)の湯で処理して得た浸出液」のことで、レギュラーコーヒー(RC)1杯を意味しています。また、インスタントコーヒーとは、100gのICのことで、杯数に直すと50杯になります。つまり、RCの1杯とICの50杯を比較しているデータなのです。


 そういうことを知った上で、カリウムKの数値を比べてみると、65:3600で、約せば1:55となるのです。多くのネット記事がこの数値に基づいて、フェイクを書いているということなのです。しかしこの数値は、1杯:50杯の数値です。RCの1杯にはそのまま65㎎で正しいのですが、ICの1杯には「50分の3600㎎」で、72㎎/1杯になるのです。ですから結局、RCとICには、65:72で、ほぼ同じ量のKが入っているのです。


●データベースの食品名の表記法にも問題がありそうです。


 このことについては文科省の担当者の方々に、誤解を招かない食品名の表記法について、再検討して頂きたいものです。

 どうぞ宜しくお願いします。

(第445話 完)