何と言っても天下のパスツール研究所が「B型肝炎患者はコーヒーを飲みなさい」との論文を発表したことは画期的でした。それまでも個々の研究者がコーヒーを勧める論文を書いていましたが、赤ワインで長寿の国の超有名研究機関の論文となるとインパクトが高まります。
製薬界ではアルツハイマー病の新薬に期待と疑念が高まりました。しかし根本的治療薬となると、ファイザー社を始め世界のトップ企業は一歩引いた感があります。ただ一社のみ日本のエーザイが、超初期の患者を無理やり(とも見える)診断法で見つけ出して、健康な脳の寿命をほんの少しだけ延ばすかも知れない候補薬に社運を賭けようとしています。
これと同じような傾向は、塩野義製薬のCOVID-19予防薬「ゾコーバ」にも見られました。食べ物の世界を見渡せば、ゾコーバと同じメカニズムで「副作用なし、相互作用なしのポリフェノール類」が食卓に溢れているのに、どうして軽症の患者に値の張るゾコーバを飲ます必要があるのでしょうか?筆者はその奇妙奇天烈さにあきれ果ててしまいます。コーヒーの疫学エビデンスの方が余程益しに見えるのです。
「コーヒーとCOVID-19」のニュースは2021に発表したので、2022はアルツハイマー病に焦点を合わせました。その他のニュースは、思いもしなかった新発見と新発明で、どれもナノサイエンスの領域です。じっくりご覧くださればコーヒーの有難さに言葉を失うに違いありません。
それでは来年が嘘のない穏やかな年になることを切に期待しながら、皆さん、良いクリスマスと新年をお迎えください。来年も宜しくお願いします。
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(第490話 完)