シリーズ『くすりになったコーヒー』


 韓国3大TV局の1つsbsから取材依頼がありました。メールで企画書が届いたので、そのままOKと返事しました。そして昨日(12月15日)、日本ネルドリップ珈琲普及協会の店でビデオ撮影がありました。まあまあ上手くいったと思います。


 協会代表の繁田武之さんが淹れてくれたネルッコ・コーヒーを飲みながら待っていると、間もなくディレクターとカメラさんの車がやってきました。午後3時、約束の時刻ぴったりのご到着。


 ディレクターの金さんは、さほど広くない店内を見渡すと、手際よく椅子とテーブルを整理して、あっという間に雰囲気の設定完了です。カメラ位置を確認して、筆者の席も決まりました。繁田さんが映してくれた下の写真がよく撮れています。




 さて、取材テーマは「コーヒーと健康」ということで、筆者が最も得意とするジャンルです。金さんの質問に答える形でスイスイ課題をこなし、約1時間、「はい、これで終わりです」とのことで、ヤレヤレと思ったら、なんと、カメラ位置をほんのちょっとだけずらして、今度は筆者自身の研究について、論文発表データを大学のゼミのように解説させられました。


●日本と韓国の意識の違いがよくわかった。


 どういうことかと言いますと、筆者が以前に「バイキング」や「L4YOU」に出たとき、ディレクターからの指示は、「どんな病気に効くか簡単にわかりやすく」であって、「効き目のメカニズム、分子薬理の説明」はTVには向かない・・・ということでした。片や韓国sbsは、分子薬理の説明をカットせずに、むしろそちらがメインだったのです。具体的に説明しましょう(下の図を参照)。




 この図は、筆者が何時も使っているものですが、今回も使ってみました。図上は国立がん研究センターの論文からの引用で、グラフは同センターのHPに載っています。日本のTV放送では、この男女の棒グラフを示しながら「コーヒーは飲めば飲むほど糖尿病にならずに済む。男性より女性が効く」との説明で終了。


 ところがsbsの取材では、図上と図下を対比させながら解説する・・・つまり、糖尿病のリスクが減る原理をネズミの実験で説明するのです。筆者がこの図を描いた本来の目的通りの使い方を、そのままディレクターが要請してきたのです。


 繁田さんが休憩タイムに呟きました。


●韓国人の方がずっと真面目に勉強している。


 決して鵜呑みにはせず、納得行くまで質問が飛んでくるのです。で、納得すると「実に面白い」と言って褒めてくれるのです。こちらも話甲斐があるというものです。


●今回のOAは押し迫った28日だそうなので、韓国の方は是非ご覧ください。日本の方、もし興味があれば、下記へアクセスしてご覧ください。


 それでは来年も宜しくお願い致します。




(第334話 完)


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