シリーズ『くすりになったコーヒー』


　先月21日（土）、奈良新聞社と飛鳥フォーラム共催の講演会「ビューティフルライフ第14章」へ行ってきました。会場は奈良公園にある国際フォーラム（写真上）でした。近くにある若草山が雨で霞んでいましたが、結構情緒ありでした。




　共催したNPO法人・飛鳥フォーラムとは、奈良県民の健康増進のために諸々活動している団体です。そこの理事長さんはお医者さんで、奈良新聞のコラムにコーヒーと健康の話を書くように勧めてくれた人です。今回の講演もその縁で指名されたようです。ちょっと残念だったのは、九州の南海上に居座った台風の影響で、紀伊半島は強雨に見舞われて、参加申し込み300名だったのが100名程度に減ってしまったこと。でも空いた臨席が手荷物置き場になって良かったような気もしました。公園の鹿も黒ずんで、のんびりした景色でした。


　さて、筆者の話は三部構成で約1時間、この十年のコーヒー事情の激変と、それを支えた疫学研究、そして効いて美味しいコーヒーの淹れ方の３つでした。スライド最後の1枚には、日本生まれでイギリス人になった石黒和夫さんとコーヒーの関係を紹介しました。


　ノーベル賞受賞の代表作で、「Never Let Me Go：わたしを離さないで」の宣伝写真に、コーヒーが添えてあるのです。瞑想の世界の入り口はコーヒーカップだそうですが、ノーベル賞に値する本の入り口にもコーヒーが似合っているようで、いつも離れないで一緒に居るのだそうです。




　講演が終わった後、「コーヒーの話が役に立つ」「面白かった」「本を読んでみたい」などと言ってくれた人が大勢いました。中には「本を持ってこなかったのか」と怒られたりもしましたし、買った本にサインを頼む人もいました。総じて今回の講演は上手くいったようでした。良かった良かったと思いながら、台風から逃げるように新幹線に飛び乗った次第です。
　翌日曜日、近畿地方は暴風雨で荒れ狂ったそうです。


（第３３０話　完）


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