シリーズ『くすりになったコーヒー』
去る2月2日、Nature誌のNEWS & VEWS欄に、The final frontier in cancer diagnosisとの見出しがありました。日本語訳は「がん診断の新たな扉」となっていました。ちょっと合点が行かないのは、直訳を避けたため意味が伝わらないと思ったこと。直訳すれば「がん診断の最前線」で、この方が単刀直入でいいんじゃあないでしょうか。
まあそれはそれとして、人工知能AIの急速な進化には、「本当かよ?」という以外に言いようがありません。Nature誌を(Nature誌だけを)座右に置いている筆者としては、変化のスピードに驚くというより、もはや別世界と思ったほうがいいのかな・・・の心境なのです。
まあまあそれもそれとして、理解できる範囲にまとめる以外ありませんから、そうすることで、三大新聞もNHKTVも取り上げない(上げられない)NEWSを紹介することといたします。
●2021年までに、皮膚癌の写真をスマホに撮れば、AIが診断を下して、どうすべきか答えてくれる(詳しくは Nature 2月2日号 p36:下図も参照)。
記事によれば、皮膚癌の画像13万枚だけを使って分類するように、ディープラーニングを受けたコンピューターが(図左)、皮膚がん専門医と同程度、またはそれ以上の正確さでがんを分類(識別)できたのです(図右)。研究に参加した21名の皮膚癌専門医たちは、この進化が皮膚科癌外来の近未来にどれほどの影響をもたらすのか興味津々なのです。
まず考えられることは、皮膚癌の検診に専門医は無用になるということ。その上、誤診は減るということ。専門医は治療に専念できるようになり、その結果、治療成績が向上するよいうことです。こんないいことは他にありません。おまけに、検査にかかる費用が減る可能性だってあるのです。
次は、遠隔地で、専門医はおろか普通の医者さえいない地域でも、スマホさえあれば皮膚癌の検査ができて、瞬時に答えが返ってくる。もし「強い疑い」との答えならば、それから町へ出かける準備をしても十分に間に合うようになるのです。
兎にも角にも、膨大な数のメガ・データをコンピューターが勝手に処理して、その結果コンピューターが人脳を超えた知能を獲得する時代に、本当になって行くのかも知れません。そうなる日を早く来いと待ちわびるか、そんなの嫌だと言って小さな脳味噌に鞭打つか、それを決めてくれるコンピューターも出現するのかな?
・・・などと思っていましたら、背中のマイTVがAI関係の座談会を始めました。パネラーは20歳代〜60歳代の5名、どんな話になるのやら、見ておこうと思います。
(第304話 完)
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