がんの放射線治療は、炭素イオン線や陽子線など「腫瘍にピンポイントゆえ低侵襲」を謳うものが、いくつかある。ただ体外から照射して大線量を与えるタイプである限り、原理的なことを言えば、体表から腫瘍までの間や腫瘍周辺など正常組織の巻き添えが一定程度避けられない。つまり脳のように正常組織を極力温存したい臓器とは、あまり相性がよろしくない。
その点、日本が世界をリードするBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)は、原子量10のホウ素(10B)が、細胞にほぼ影響なく体内を霧のように浸透する低エネルギー中性子(熱中性子と呼ばれる)を捕獲して核分裂、通常の細胞半径以下だけα線とリチウム核が飛ぶ反応を利用することから、がん細胞のみに有効量の10Bを取り込ませることさえできたなら、その細胞を確実に殺すけれど隣の細胞へは影響を及ぼさない真のピンポイント治療となれる可...
がんの放射線治療は、炭素イオン線や陽子線など「腫瘍にピンポイントゆえ低侵襲」を謳うものが、いくつかある。ただ体外から照射して大線量を与えるタイプである限り、原理的なことを言えば、体表から腫瘍までの間や腫瘍周辺など正常組織の巻き添えが一定程度避けられない。つまり脳のように正常組織を極力温存したい臓器とは、あまり相性がよろしくない。
その点、日本が世界をリードするBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)は、原子量10のホウ素(10B)が、細胞にほぼ影響なく体内を霧のように浸透する低エネルギー中性子(熱中性子と呼ばれる)を捕獲して核分裂、通常の細胞半径以下だけα線とリチウム核が飛ぶ反応を利用することから、がん細胞のみに有効量の10Bを取り込ませることさえできたなら、その細胞を確実に殺すけれど隣の細胞へは影響を及ぼさない真のピンポイント治療となれる可能性