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新たな抗菌薬へ大きく前進

2023/01/15 会員限定記事

医工連携の実践者83 市川聡 北海道大学教授

連載 :

 昨年12月15日号の本欄でも触れたように、薬剤耐性(AMR)菌は世界的課題だ。  釈迦に説法ながら、細菌はグラム陽性菌とグラム陰性菌に分けられる。前者は細胞膜の外側に糖ペプチド(ペプチドグリカン)の細胞壁を分厚く持っていてグラム染色液で染まり、後者はペプチドグリカン層が薄い代わり通常の細胞膜に加えて外膜も持つ。  哺乳類の細胞は細胞壁を持たないため、細胞壁の形成を阻害すると菌特異的殺細胞効果、とくにグラム陽性菌に対するスペクトルを示すこととなり、ペニシリンなどβ―ラクタム系抗生物質やバンコマイシンなどグリコペプチド系抗生物質といった多くの抗菌薬が、そこをターゲットに大きな成果を挙げてきた。だがご存じのとおり耐性菌が蔓延してしまっており、新たな作用機序の抗菌薬が求められている。  そこで注目されているのが、ペプチ...  昨年12月15日号の本欄でも触れたように、薬剤耐性(AMR)菌は世界的課題だ。  釈迦に説法ながら、細菌はグラム陽性菌とグラム陰性菌に分けられる。前者は細胞膜の外側に糖ペプチド(ペプチドグリカン)の細胞壁を分厚く持っていてグラム染色液で染まり、後者はペプチドグリカン層が薄い代わり通常の細胞膜に加えて外膜も持つ。  哺乳類の細胞は細胞壁を持たないため、細胞壁の形成を阻害すると菌特異的殺細胞効果、とくにグラム陽性菌に対するスペクトルを示すこととなり、ペニシリンなどβ―ラクタム系抗生物質やバンコマイシンなどグリコペプチド系抗生物質といった多くの抗菌薬が、そこをターゲットに大きな成果を挙げてきた。だがご存じのとおり耐性菌が蔓延してしまっており、新たな作用機序の抗菌薬が求められている。  そこで注目されているのが、ペプチドグ

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