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新規セラノスティクス製剤を開発

2024/01/15 会員限定記事

医工連携の実践者107 三浦裕 東京工業大学准教授

連載 :

 MRI画像診断は、撮像対象者を放射線被ばくさせないうえ空間分解能が高いことから、臨床現場で重宝されている。ただ放射線を用いる画像診断に比べると感度が低く、微小ながんや転移がんなどの治療診断に用いる際はCT撮像などと併用されるのが一般的で、被ばくさせないメリットを十分に生かせていない。造影剤を用いるにしても、実用化されているガドリニウム(以下Gdと表記)錯体製剤(Gd-DOTAなど)は、極めて高濃度での投与が必要なうえ、Gdが錯体から外れて毒性を発揮してしまう危険性もある。  このように、より安全かつ低濃度で使える造影剤が臨床現場で求められるなか、Gd-DOTAの7倍の性能を持つ新たな高分子製剤を開発したとの論文が、23年11月末の『Advanced Science』誌に掲載された。  水中で自律的に折り畳まれ(セルフフォールディング)るよう、疎水性基と親水...  MRI画像診断は、撮像対象者を放射線被ばくさせないうえ空間分解能が高いことから、臨床現場で重宝されている。ただ放射線を用いる画像診断に比べると感度が低く、微小ながんや転移がんなどの治療診断に用いる際はCT撮像などと併用されるのが一般的で、被ばくさせないメリットを十分に生かせていない。造影剤を用いるにしても、実用化されているガドリニウム(以下Gdと表記)錯体製剤(Gd-DOTAなど)は、極めて高濃度での投与が必要なうえ、Gdが錯体から外れて毒性を発揮してしまう危険性もある。  このように、より安全かつ低濃度で使える造影剤が臨床現場で求められるなか、Gd-DOTAの7倍の性能を持つ新たな高分子製剤を開発したとの論文が、23年11月末の『Advanced Science』誌に掲載された。  水中で自律的に折り畳まれ(セルフフォールディング)るよう、疎水性基と親水性基

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