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植物由来材料で間葉系幹細胞培養

2024/09/01 会員限定記事

医工連携の実践者122 北岡卓也 九州大学教授

連載 :

 間葉系幹細胞(MSC)は、骨髄、脂肪、滑膜、臍帯、歯髄などの成体組織から容易に分離でき、骨、軟骨、靭帯、筋肉、脂肪など中胚葉由来組織だけでなく、肝臓など内胚葉由来組織、さらには神経など外胚葉由来組織へと分化させることができる。がん化リスクはES細胞より小さく、iPS細胞のような遺伝子操作も必要としない。患者自身から採取すれば移植した際の拒絶反応も起こらない。つまり倫理面でも安全面でも再生医療への使用に適している。  その一方、体外へ取り出した初代MSCは、培地や足場に動物由来成分を使わないと増殖させられない。体内環境から切り離されたMSCが多能性を保ったまま増殖を開始するには、まず支持してくれる構造物(足場)と接着する必要があるのだが、血清なしでも接着する非動物性足場は開発されておらず、血清に含まれているだろう接着因子の化学合成もできてい...  間葉系幹細胞(MSC)は、骨髄、脂肪、滑膜、臍帯、歯髄などの成体組織から容易に分離でき、骨、軟骨、靭帯、筋肉、脂肪など中胚葉由来組織だけでなく、肝臓など内胚葉由来組織、さらには神経など外胚葉由来組織へと分化させることができる。がん化リスクはES細胞より小さく、iPS細胞のような遺伝子操作も必要としない。患者自身から採取すれば移植した際の拒絶反応も起こらない。つまり倫理面でも安全面でも再生医療への使用に適している。  その一方、体外へ取り出した初代MSCは、培地や足場に動物由来成分を使わないと増殖させられない。体内環境から切り離されたMSCが多能性を保ったまま増殖を開始するには、まず支持してくれる構造物(足場)と接着する必要があるのだが、血清なしでも接着する非動物性足場は開発されておらず、血清に含まれているだろう接着因子の化学合成もできていな

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