人工ファージ療法の基盤開発
2022/12/15
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医工連携の実践者81 安藤弘樹 岐阜大学特任准教授/アステラス製薬Principal Investigator
連載 : 医工連携の実践者
細菌感染症との闘いで大きな役割を果たしてきた抗菌薬は、使用開始後しばらくすると耐性菌が出現する歴史を繰り返してきた。耐性菌と闘える新たな薬剤が産み出されなければ、薬で治せない薬剤耐性(AMR)感染症へつながってしまう。このAMR感染症で13年に全世界合計約70万人が亡くなっており、何も対策を取らなければ50年にはがんより多い約1000万人が命を落とすとの予測もある。それなのに抗菌薬のパイプラインは細る一方だ。
状況改善の切り札になるかもしれないと期待されているのが、細菌に感染して内部で増殖し最後には溶菌させる天敵ウイルス(バクテリオファージ)を薬として使おうとするファージ療法だ。抗菌薬とは作用機序がまったく異なるためAMR感染症にも有効であり、実際に多剤耐性菌による重症感染症の治療に成功した例がある。
療法自体の歴史は古く、約10...
細菌感染症との闘いで大きな役割を果たしてきた抗菌薬は、使用開始後しばらくすると耐性菌が出現する歴史を繰り返してきた。耐性菌と闘える新たな薬剤が産み出されなければ、薬で治せない薬剤耐性(AMR)感染症へつながってしまう。このAMR感染症で13年に全世界合計約70万人が亡くなっており、何も対策を取らなければ50年にはがんより多い約1000万人が命を落とすとの予測もある。それなのに抗菌薬のパイプラインは細る一方だ。
状況改善の切り札になるかもしれないと期待されているのが、細菌に感染して内部で増殖し最後には溶菌させる天敵ウイルス(バクテリオファージ)を薬として使おうとするファージ療法だ。抗菌薬とは作用機序がまったく異なるためAMR感染症にも有効であり、実際に多剤耐性菌による重症感染症の治療に成功した例がある。
療法自体の歴史は古く、約100年