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役立たず鏡像体でBNCT

2025/01/15 会員限定記事

医工連携の実践者 131 野本貴大 東京大学准教授

連載 :

 昨年末の12月25日、住友重機械工業と藤田医科大学、ステラファーマなど5者が「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)による深部腫瘍治療の研究開発を推進するための覚書」を締結したと発表した。報じた中日新聞によれば、膵臓がんなどを対象に28年から臨床試験を始める想定で、100億円以上かけて「垂直型の装置が入る3階建て施設を建設」するらしい。「がん細胞に取り込ませたホウ素の濃度が高い方が治療の効果が高く、濃度を高めるための薬剤の開発」も行うそうだ。  タイミングよくと言うべきか同じ12月、ホウ素のがん細胞内濃度に関連する興味深い論文が、野本貴大・東京大学大学院総合文化研究科准教授(写真)を責任著者として、『Journal of Controlled Release』誌に報告された。  BNCTは、がん細胞に原子量10のホウ素(10B)を取り込ませた後、低エネルギー中...  昨年末の12月25日、住友重機械工業と藤田医科大学、ステラファーマなど5者が「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)による深部腫瘍治療の研究開発を推進するための覚書」を締結したと発表した。報じた中日新聞によれば、膵臓がんなどを対象に28年から臨床試験を始める想定で、100億円以上かけて「垂直型の装置が入る3階建て施設を建設」するらしい。「がん細胞に取り込ませたホウ素の濃度が高い方が治療の効果が高く、濃度を高めるための薬剤の開発」も行うそうだ。  タイミングよくと言うべきか同じ12月、ホウ素のがん細胞内濃度に関連する興味深い論文が、野本貴大・東京大学大学院総合文化研究科准教授(写真)を責任著者として、『Journal of Controlled Release』誌に報告された。  BNCTは、がん細胞に原子量10のホウ素(10B)を取り込ませた後、低エネルギー中性子

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