ナノバブルで人工歯根を親水化
2025/02/01
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医工連携の実践者 132 高橋正好 東北大学特任教授(研究)
連載 : 医工連携の実践者
人工歯根などのインプラントは、血液や体液から供給される骨芽細胞の接着・増殖を経て、患者自身の骨と結合する。この骨結合を促すため、インプラント表面は親水性を保つことが欠かせない。しかし実際には流通過程や手術準備段階、さらには術中に有機物で汚染されて疎水化し、結合不良につながってしまうことが課題となっている。対策として、インプラントの体内に挿入される部位表面は酸化チタンで覆われていることが多く、術前の紫外線照射による光触媒活性で有機物分解と親水化が図られている。ただ複雑な形状の隅から隅まで十分に照射するのは案外難しい。
昨年12月、疎水化したチタン製(表面は酸化チタン膜が覆う)人工歯根を「オゾンナノバブル水」に約10分間漬け込んだら、紫外線照射なしでも1ヵ月以上も続く超親水性表面になったとの論文が、『Langmuir』誌に掲載された。
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人工歯根などのインプラントは、血液や体液から供給される骨芽細胞の接着・増殖を経て、患者自身の骨と結合する。この骨結合を促すため、インプラント表面は親水性を保つことが欠かせない。しかし実際には流通過程や手術準備段階、さらには術中に有機物で汚染されて疎水化し、結合不良につながってしまうことが課題となっている。対策として、インプラントの体内に挿入される部位表面は酸化チタンで覆われていることが多く、術前の紫外線照射による光触媒活性で有機物分解と親水化が図られている。ただ複雑な形状の隅から隅まで十分に照射するのは案外難しい。
昨年12月、疎水化したチタン製(表面は酸化チタン膜が覆う)人工歯根を「オゾンナノバブル水」に約10分間漬け込んだら、紫外線照射なしでも1ヵ月以上も続く超親水性表面になったとの論文が、『Langmuir』誌に掲載された。