難治性てんかんの非薬物的治療として10年から保険収載されているVNS(頸部迷走神経刺激)という療法がある。首の総頸動脈と内頚静脈の間を走っている迷走神経束に電極線(リード線)を巻き付け、胸部皮下に埋め込んだジェネレーターから規則的に電気刺激を送る。
迷走神経は、脳と心臓、胃腸、声帯など各種臓器との間を双方向に連絡している。VNSの電気刺激によって脳へ届くシグナルが効果を発揮すると考えられ、米食品医薬品局(FDA)は、難治性うつ治療用途と脳卒中後の上肢リハビリテーションとの併用用途でも承認している。
21年には、断眠させた人の疲労を軽減しマルチタスク能力を向上させる可能性ありとの論文報告もあった。
また、興奮を抑制する副交感神経として働く迷走神経の賦活によって、交感神経過剰になってしまった自律神経活...
難治性てんかんの非薬物的治療として10年から保険収載されているVNS(頸部迷走神経刺激)という療法がある。首の総頸動脈と内頚静脈の間を走っている迷走神経束に電極線(リード線)を巻き付け、胸部皮下に埋め込んだジェネレーターから規則的に電気刺激を送る。
迷走神経は、脳と心臓、胃腸、声帯など各種臓器との間を双方向に連絡している。VNSの電気刺激によって脳へ届くシグナルが効果を発揮すると考えられ、米食品医薬品局(FDA)は、難治性うつ治療用途と脳卒中後の上肢リハビリテーションとの併用用途でも承認している。
21年には、断眠させた人の疲労を軽減しマルチタスク能力を向上させる可能性ありとの論文報告もあった。
また、興奮を抑制する副交感神経として働く迷走神経の賦活によって、交感神経過剰になってしまった自律神経活動