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血中薬剤濃度の使い捨てセンサ

2022/08/01 会員限定記事

医工連携の実践者72 吉見靖男 芝浦工業大学教授

連載 :

 読者の皆さんには釈迦に説法だろうが、医薬品の添付文書には必ず「薬物動態」を記すことになっており、その1項目めは「血中濃度」だ。適正使用のため不可欠の情報と考えられていることがわかる。  この薬物血中濃度を測定、「分布」など考慮して標的組織で有効濃度になるよう用法・容量を調整するTDM(治療薬物モニタリング)なる技術がある。薬の有効性と安全性を最大限高めようとするもので、患者1人ひとりに最適の治療を提供しようとするプレシジョン・メディシン(精密医療)の観点からも、今後その重要性は高まりこそすれ低くなることはあるまい。  しかし、実際のところ、日本でTDMが本来の目的を果たしているとは言い難い。ほとんどの医療機関が、分析装置や人員配置のコストを賄えず、多くの薬物血中濃度測定を外部委託しており、その場合は結果がわか...  読者の皆さんには釈迦に説法だろうが、医薬品の添付文書には必ず「薬物動態」を記すことになっており、その1項目めは「血中濃度」だ。適正使用のため不可欠の情報と考えられていることがわかる。  この薬物血中濃度を測定、「分布」など考慮して標的組織で有効濃度になるよう用法・容量を調整するTDM(治療薬物モニタリング)なる技術がある。薬の有効性と安全性を最大限高めようとするもので、患者1人ひとりに最適の治療を提供しようとするプレシジョン・メディシン(精密医療)の観点からも、今後その重要性は高まりこそすれ低くなることはあるまい。  しかし、実際のところ、日本でTDMが本来の目的を果たしているとは言い難い。ほとんどの医療機関が、分析装置や人員配置のコストを賄えず、多くの薬物血中濃度測定を外部委託しており、その場合は結果がわかる

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