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超高感度磁気センサを医療に

2022/07/01 会員限定記事

医工連携の実践者70 安藤康夫 東北大学教授

連載 :

 脳の神経細胞が突然激しく興奮して体をコントロールできなくなる「てんかん」に対して近年、原因となっている脳の一部を切除する外科手術が積極的に行われるようになっている。良好な治療成績を期待できるものの、闇雲に脳を切除するわけにはいかず、どこの部位が異常に興奮して発作の原因となっているのか、可能ならば切除前に確認しておきたい。これが、なかなか難しい。  脳の働きを非侵襲的に検査するには、細胞の活動に伴って発生するイオン電流を体表面で測って記録する方法が広く用いられている。おなじみの脳波計だ。ただし血液や髄液、骨、皮膚など体組織の導電率がそれぞれ異なるため、体表面まで伝播してくる間に変化して、発生部位を特定する空間分解能が低い。つまり外科手術の位置決めには向かない。  一方、活動電流と不可分に発生する生体磁気...  脳の神経細胞が突然激しく興奮して体をコントロールできなくなる「てんかん」に対して近年、原因となっている脳の一部を切除する外科手術が積極的に行われるようになっている。良好な治療成績を期待できるものの、闇雲に脳を切除するわけにはいかず、どこの部位が異常に興奮して発作の原因となっているのか、可能ならば切除前に確認しておきたい。これが、なかなか難しい。  脳の働きを非侵襲的に検査するには、細胞の活動に伴って発生するイオン電流を体表面で測って記録する方法が広く用いられている。おなじみの脳波計だ。ただし血液や髄液、骨、皮膚など体組織の導電率がそれぞれ異なるため、体表面まで伝播してくる間に変化して、発生部位を特定する空間分解能が低い。つまり外科手術の位置決めには向かない。  一方、活動電流と不可分に発生する生体磁気な

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