可視光パルスによる殺菌
2022/02/01
会員限定記事
医工連携の実践者61 松本貴裕 名古屋市立大学教授
連載 : 医工連携の実践者
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延によって、私たちの社会は新興感染症に対して案外弱いこと、予期せぬ病原体出現時のリスクを下げるためにも環境中の病原性ウイルスや細菌を不活化したり殺したりする技術は大切であることを改めて思い知らされたのではなかろうか。
だからと言って、そのために薬剤を使うと耐性や生態系かく乱の問題が付きまとい、かえってリスクを高める可能性もある。対象を物理的に破壊できるなら、それに越したことはない。
物理的に破壊する方法の代表例が、X線や紫外線などエネルギーの高い電磁波を照射することだ。ただ、同時に人体に当たると発がんの原因になったり眼が悪くなったり皮膚が傷んだりするため、いつでもどんな場合でも確実な効果を得ようとするなら安全性に難がある。
そんななか、高輝度の可...
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延によって、私たちの社会は新興感染症に対して案外弱いこと、予期せぬ病原体出現時のリスクを下げるためにも環境中の病原性ウイルスや細菌を不活化したり殺したりする技術は大切であることを改めて思い知らされたのではなかろうか。
だからと言って、そのために薬剤を使うと耐性や生態系かく乱の問題が付きまとい、かえってリスクを高める可能性もある。対象を物理的に破壊できるなら、それに越したことはない。
物理的に破壊する方法の代表例が、X線や紫外線などエネルギーの高い電磁波を照射することだ。ただ、同時に人体に当たると発がんの原因になったり眼が悪くなったり皮膚が傷んだりするため、いつでもどんな場合でも確実な効果を得ようとするなら安全性に難がある。
そんななか、高輝度の可視