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生体のタンパク質を可視化

2020/11/15 会員限定記事

医工連携の実践者32 菊地和也 大阪大学大学院教授

連載 :

 2型糖尿病は、普段は細胞内にあってインスリン刺激があると細胞膜上へ移動して糖を取り込むGLUT4タンパク質が、何らかの原因で細胞膜上へ効率的に移動しなくなりインスリン抵抗性を生じている状態と考えられてきた。ところが16年8月の『ネイチャー・ケミカル・バイオロジー』誌に、GLUT4にN結合型糖鎖の欠損があると、インスリン刺激によって細胞膜上へ移動するのだけれど短時間で細胞内へ戻ってしまうという現象が報告され、インスリン抵抗性の新たな解釈と新規創薬の可能性が出てきている。  この現象を報告したのが、菊地和也・大阪大学大学院工学系研究科応用化学専攻教授(写真)のグループだ。生きた細胞のタンパク質動態や酵素反応を蛍光やMRIで可視化する、そんなタンパク質標識プローブを開発しており、その医学研究への有用性を自分たちで証明するかたちになった...  2型糖尿病は、普段は細胞内にあってインスリン刺激があると細胞膜上へ移動して糖を取り込むGLUT4タンパク質が、何らかの原因で細胞膜上へ効率的に移動しなくなりインスリン抵抗性を生じている状態と考えられてきた。ところが16年8月の『ネイチャー・ケミカル・バイオロジー』誌に、GLUT4にN結合型糖鎖の欠損があると、インスリン刺激によって細胞膜上へ移動するのだけれど短時間で細胞内へ戻ってしまうという現象が報告され、インスリン抵抗性の新たな解釈と新規創薬の可能性が出てきている。  この現象を報告したのが、菊地和也・大阪大学大学院工学系研究科応用化学専攻教授(写真)のグループだ。生きた細胞のタンパク質動態や酵素反応を蛍光やMRIで可視化する、そんなタンパク質標識プローブを開発しており、その医学研究への有用性を自分たちで証明するかたちになった。

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