かかりつけ医機能制度の報告をめぐる最大の焦点は「報告内容をどのように生かすか」だ。厚労省は、医療機関等情報支援システム(G-MIS)を活用して報告医療機関からのデータを活用したい思惑である。


 また、報告された機能に基づき医療体制の補完には「地方との協議の場」での検討が謳われているが、この運用には疑問符がつく。予定メンバーは地域によって多岐に渡り、とりとめのない協議の場になりかねない。厚労省は例として都市区医師会や保健所、市町村担当者、関係する診療所、関係する病院、薬剤師会、看護協会などを列挙するが、それぞれ「我田引水」の発言を招きかねない。


 協議の場においては、その設立に「地域の協議におけるキーパーソンが誰か」を把握し、その場に参加してもらうことが、円滑な運用のためには重要としている。地域のキーパーソンの例として、24時間往診体制を検討する場合には地域医師会の在宅担当理事、在宅医療を行う診療所、訪問看護ステーションなど、入退院支援の場合には、後方支援病院の病院長・地域連携室長、在宅医療を提供する医師などを挙げた。高齢化は40年にピークを迎えるとされているが、高齢者の医療・介護において、当該患者を地域でどのように支えていけるのか、どのような連携が必要なのかを協議し、後方支援が連続する体制とは何なのかを具現化できる場としてほしいものだ。