MA改革が呼び起こす競争入札制
プログラムの包括的点検の求めは却って過剰支払い問題を政治化する、ヤブ蛇になりかねない。費用抑制・節減可能性が改革の道をリードする。
MA改革は確実に、現在の管理的入札制から競争入札制への移行、保険会社に出し抜く余地を与えない支払い方式の採用を求める(表4)。
受給者の過半数をカバーする「メディケアの顔」として問われるMAが財政責任を担い、規律を確立する切り札(ジョーカー)になる。
民間保険間の競争と消費者の選択は保守派の理念だが、保険業界は1990年代から民主・共和両党の政権が提案する実験演習計画を潰してきた。好ましいビジネス環境でない。A.S.ケリー(カリフォルニア州立大学)は、公的制度の後ろで高利潤を確保する現状維持の政治力と分析する(表5−①)。
伝統的な公約メディケア(TM)もひとつの選択肢となるバージョンを含め、息の抜けない競争入札をセットにするMAフォー・オールは産業界にとって「ありがた迷惑」だが、公的からのシフトと高齢人口の増加で2倍以上になるビジネス規模の拡大が避けらないジレンマとして次の次の大統領の頃に政治問題化する。