将来有望なサルボデュチド


 独ベーリンガーインゲルハイム(BI)はGCGR/GLP-1R受容体作動薬「サルボデュチド」の、過体重または肥満症、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)患者を対象とした第Ⅱ相試験の結果を発表した。サルボデュチドを投与された過体重または肥満患者のほぼ40%が、投与46週後に体重が20%以上減少した。サルボデュチドの可能性をさらに検証するには第Ⅲ相試験が必要だが、46週目でも体重減少は停滞状態には至らず、より長い治療期間で、さらなる減少が期待できることが示されたという。


 MASHに関しては、第Ⅱ相試験の結果から、サルボデュチドが有望であり、血圧を大幅に低下させたという。安全性の面では有害事象のため、サルボデュチドの投与が中止となった。ただし、ほとんどの場合、これは急速な用量漸増段階が原因で、より緩やかな用量漸増に移行することでこの問題を軽減できるとした。


 また、グルカゴンのアミノ酸に対する異化作用について、血中のアミノ酸濃度の低下は筋肉の減少とは直接相関しないという。グルカゴンはエネルギー消費を仲介するのに対し、GLP-1は摂食行動に介入するため。BIは同薬が筋肉を減少させることなく体重を減少、同時に血圧の低下も促進し大きな利益をもたらすことを試験で証明できたとし、肥満症とMASH領域で有望と分析した。