寄る年波には勝てず、血液検査で次々と異常数値を弾き出し、気付けば今やどっぷりとポリファーマシー状態。そのうえ、さらに新聞を開けば次々と押し寄せるサプリメントの甘い囁きについついお試し期間の格安にお付き合い。そんな矢先に突然の紅麹事件勃発。驚いたの何の。
サプリメントの多くは食品に含まれる特定の成分を濃縮、抽出してつくられている。1度に多くの成分を大量に摂取して、利便性が高まったように感じるがそうはいかない。
例を挙げるとβ-カロテンと肺がん予防を検証した試験では、通常摂取量20mgの10倍量で肺がんリスクが一気に高まってしまった。
サプリメントの問題点としては「経済被害」も。事故情報データバンクシステムによると、健康食品によるトラブルの8割(79.6%)は経済被害だ。1回限りのつもりが定期購入をさせられそうになったなど、巧妙な手口が次々と。
医療用医薬品と健康食品の有効性、安全性の信頼性の違いは月とスッポンの違いを冷静に見極めてかからないと。医薬経済に関与する身でありながらつくづく反省した次第。