今夏の7月、高校生14人が食中毒で救急搬送された。てっきり夏の定番、カンピロやサルモネラといった細菌性によるものと思ったがまるで大違い。「激辛ポテトチップスにより心窩部痛」を訴えてのものだった。


 そのポテチには世界一辛いトウガラシとしてギネスにも認定されたブート・ジョロキアなるものが使用されており、日本救急医学会では、化学物質や自然界に存在するものによる有害反応を中毒としており、このケースもトウガラシによる食中毒として扱われた。


 辛さの指標としては、考案者の名をとって「スコヴィル値」があり、今回使用されたものは100万スコヴィルで、1mlのものを1000ℓまで薄めなければ無効化できないほど強烈だった。


 これは顔にかける防犯スプレーにも使われ、食品に使われるものの一歩間違えれば凶器にもなりうる。TVで激辛チャレンジを見ることがあるが、実に危険極まりない。


 中毒対応としては牛乳を飲ませる程度で、活性炭には吸着されず無意味。何らかの規制がされて然るべきだろう。