どのような言い換えが効果的か


 最近の研修で日系大手の製薬会社さんでも、圧倒的に他社を凌駕するベストインクラスの製剤の研修で同じようなフレーズがクロージングで多用されるということがわかった。お役に立てるもなにも、その疾患には、もうこれしかないというような製品である。ここは、先生が何例処方して下さるのかを聞く場面だ。「お役に立てそうでしょうか?」は、つまり、会社が大きければ大きいほど、製品が強ければ強いほど多用されているフレーズなのである。


 自分の会社や製品に誇りを持つことは素晴らしいことではあるが、クロージングで、このフレーズはいただけない。なぜなら、クロージングとしては、かなりソフトタッチであるからだ。またお役に立てるところに製品名を入れるならまだしも、会社名を入れていたら完全アウトである。先生は、このフレーズを聞き慣れ過ぎて、ほとんどインパクトはないだろう。


 では、どのような言い換えが効果的だろうか。私なら、処方に対してのYes/Noをお聞きしたうえで、想いを込めた一言を付け加えるだろう。たとえば、「先生、〇〇(製品名)をお使いいただけますか?ひとりでも多くの患者さんに早く良くなっていただきたい想いは私も先生と一緒です!」のように。


 ちなみに、強い製品でもないのに、「お役に立てそうでしょうか?」的クロージングをしているようでは、もはや処方拡大は見込めないので、気をつけよう。