この意見を極めて真っ当だと思うのは、筆者だけではないはずだ。ケネディ氏は米国のコロナ対策の責任者だったアンソニー・ファウチ氏や規制当局と、製薬業界との癒着を追及する著作も書いており、FDAの粛清・解体も唱えている。これを受けて製薬株が暴落。業界は警戒を強めているそうだ。「ケネディ降ろし」が起こりそうだが、筆者は医薬業界の闇が炙り出されるのを大いに期待している。
それにしても、ケネディ氏をめぐる大手メディアの報道の「偏向」には呆れるばかりだ。彼の発言のすべてを肯定する必要はないが、頭から否定するのも間違っている。「反ワクチン」「陰謀論」という色眼鏡によって、完全に思考停止していると言わざるを得ない。
これと同じ現象が11月17日開票の兵庫県知事選でもあった。選挙戦に入る前、テレビや新聞などオールド・メディアは、斎藤元彦知事のパワハラ疑惑をこれでもかと書き立てた。そして不信任議決による失職にともない選挙戦に入ると、斎藤氏の再選はないと予想。しかし、それに反して斎藤氏は再選を果たした。その大きな理由として、多くの選挙民がオールド・メディアに不信を抱き、SNSから得た情報を元に投票先を決めたのではないかと分析された。
筆者もそうだが、大手メディアの切り取りや印象操作には飽き飽きしている。いまや渦中の人物の発言や関係書類などは、ネットを探せば多くが編集なしで見られる時代となった。もちろん偽・誤情報も含まれるので注意は必要だが、オールド・メディアの世論操作など簡単に見破られてしまう。ワクチンについても、「反ワクチン」や「陰謀論」という言葉で誤魔化し通せるものではない。国民の信頼を得たいと思うなら、医薬業界はケネディ氏の主張にも誠実に耳を傾けるべきだろう。