マネジド・ケアを超えたケア


 財政圧迫に直面してSNPを含めMAは2025年、プラスαの付加給付を削ったが、SSBCIは拡充した。一般MAのSSBCI提供率は16%、SNPは20ポイント増の87%。「医療」に集中したマネジド・ケアのアプローチをはみ出す新しいモデルの体系的な評価はこれからの話だが、直観に叶う方向だ。


 もっとも2024年、プログラム拡大を支える連邦リベートは微減、SNPリベート増分も縮んだ(図2)。補完給付の用途は不明とMedPACは過剰支払い批判を緩めない(医療の構造159)。


 1980年代、レーガン大統領は「福祉の女王」のレトリックで「大きな政府」政策を攻撃した。2003年、ブッシュ政権は保険業界の不満をくみ取りMAプログラムを整える際にSNPの基礎を用意、実験と延長を繰り返して制度化させ、オバマ、トランプ、バイデンと党派を超えて高齢者ケアの新しい柱に育てた。健康的な高齢者中心の管理から一転、MAは脆い高齢者にビジネスを見出す。民間の柔軟性が医療・福祉・地域サービスの垣根を超える。


 2025年、メディケア政治も変わるが、「弱者ビジネス」の誹りを排して、個別的なケア管理の有効性を実証できるか、SNPは1970年代のHMO以来の改革の道になる可能性を秘めている。