日本ジェネリック製薬協会の「安定供給責任者会議」構想。供給問題に対応する手段として昨年6月にぶち上げ、ようやく「供給不安対応スキーム」の運用を開始できる手はずが整いつつあるが、未だに主要企業間の足並みが揃わず、会員から先行きを案じる声が聞こえている。
同会議は、供給不安の懸念が生じた段階で関係企業が停止時期や製造数量、在庫量などの機微情報を共有し、効率的に代替増産できるようにする「スキーム」の運用が目的だ。川俣知己会長「肝入り」の案件で昨年8月の中央社会保険医療協議会で取り組むと宣言した。
関係者によると、2回の準備会合を経て、3月5日に正式会合を初開催。「スキーム」運用の一歩手前まで漕ぎ着けた。しかし、理事会社のなかにおいて「スキームに協力することで、ライバルに自らの市場を奪われかねない」と懸念する企業が存在することが、正式会合で露呈したという。
GE薬協の「スキーム」は本来、供給問題で苦慮する医療関係者に資するものだ。ただ、そうした大義も「市場を奪われたくない」企業からすれば二の次三の次。「むしろ医療機関には少し我慢してもらい、自分たちが通常出荷に戻ったときはもう一度、そこに納品したい気持ち」が経営者にはあるとの「本音」が、正式会合では暴露されたようだ。
会員会社からは「まだそんなことを言っているのか」と批判が噴出。安定供給体制の再構築という大義を前にしても、後発品業界は一枚岩になりきれていない。