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医政羅針盤

繰り返される過剰な「大変革」幻想の陥穽

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2017年4月1日号

異なる金融業界と医療業界の改革 先日、ある病院団体幹部の講演を都内で聴く機会があった。その講演のなかで、私も同感の指摘が数多くなされていた一方、以下のような趣旨の発言があり、違和感を覚えた。その発言とは、90年代以降、金融業界では大きな構造変化が生じているけれども、医療業界はそうなっておらず、金融業界などと比較して、改革の取り組みがかなり遅れているという内容のものであった。 実は、こうした指摘を耳にするのは今回が初めてではない。数年前に、厚生労働省の中堅幹部が述べているのを聞いたことがある。それは、財務省に勤務している先輩などから、こうした指摘をされており、もっと大きな改革を進めていかなければならない、という文脈での話であった。 予め断っておくと、社会経済環境などの変化に対応して、さまざまな改革が必要となることは否定しない。だが、この20年... 異なる金融業界と医療業界の改革 先日、ある病院団体幹部の講演を都内で聴く機会があった。その講演のなかで、私も同感の指摘が数多くなされていた一方、以下のような趣旨の発言があり、違和感を覚えた。その発言とは、90年代以降、金融業界では大きな構造変化が生じているけれども、医療業界はそうなっておらず、金融業界などと比較して、改革の取り組みがかなり遅れているという内容のものであった。 実は、こうした指摘を耳にするのは今回が初めてではない。数年前に、厚生労働省の中堅幹部が述べているのを聞いたことがある。それは、財務省に勤務している先輩などから、こうした指摘をされており、もっと大きな改革を進めていかなければならない、という文脈での話であった。 予め断っておくと、社会経済環境などの変化に対応して、さまざまな改革が必要となることは否定しない。だが、この20年以上

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