医薬経済オンライン

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時流遡航

コンピュータから見た人間の脳

第6回 ─実に不可思議な人脳の機能とその柔軟性─

ジャーナリスト 本田成親

2017年4月1日号

 その高校生の信じ難い回復ぶりを目にした医者は、医学的にそんなことはあり得ないはずだと考えました。そこで再度、脳の断層写真を撮影し詳細な検査をしてみましたが、やはり右脳は欠落したままだったのだそうです。再起できた理由を完璧に説明することは難しいのですが、左脳の一部が機能を代替しているに相違ないとのことなのです。シミュレート機能を持つ小脳も残っているわけですから、それもまた重要な役割を果しているのかもしれません。とにかく人間の脳とはそれほどに不思議なものなのです。 なお、この話には後日談があるのです。その生徒は元気になり復学したのですが、担任教師が、「君は事故で右脳を欠損してしまったそうだね。ここは受験校で勉強も大変だから、あまり無理はしなくてもいいよ」という不用意な一言を吐いたんだそうです。ところがその直後から、またその生徒の左半身がま...  その高校生の信じ難い回復ぶりを目にした医者は、医学的にそんなことはあり得ないはずだと考えました。そこで再度、脳の断層写真を撮影し詳細な検査をしてみましたが、やはり右脳は欠落したままだったのだそうです。再起できた理由を完璧に説明することは難しいのですが、左脳の一部が機能を代替しているに相違ないとのことなのです。シミュレート機能を持つ小脳も残っているわけですから、それもまた重要な役割を果しているのかもしれません。とにかく人間の脳とはそれほどに不思議なものなのです。 なお、この話には後日談があるのです。その生徒は元気になり復学したのですが、担任教師が、「君は事故で右脳を欠損してしまったそうだね。ここは受験校で勉強も大変だから、あまり無理はしなくてもいいよ」という不用意な一言を吐いたんだそうです。ところがその直後から、またその生徒の左半身がまった

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