経済記事の読み方
「自動運転車」は本当に必要なのか
東京オリンピックを合い言葉に開発が加速
2017年4月15日号
自動運転車の実用化が加速している。究極の安全運転をめざす自動運転車が普及すれば、交通事故低減や渋滞緩和、高齢者の移動支援にもつながり、社会的メリットは小さくない。 自動運転の歴史は東西冷戦の80年代に幕を開けたとされる。米軍が自律的に走行できる無人戦闘車両の開発に着手、冷戦終結後の90年代に開発は一時凍結されたが、01年に米国議会が「15年までに地上の3分の1の戦闘車両を無人化」する軍の計画を承認、開発が再開された。 その後、スタンフォード大学などで無人車両の技術開発をしていた研究者が07年頃にグーグルに移籍、同社がけん引するかたちで自動運転システムの研究開発が一層進んだ。そして10年頃には欧米で公道における自動運転車の走行実験が盛んに行われるようになった。 日本では完成車メーカーが13年に自動運転車の実験車両を公開したのを皮切りに、各社の開発競争...
自動運転車の実用化が加速している。究極の安全運転をめざす自動運転車が普及すれば、交通事故低減や渋滞緩和、高齢者の移動支援にもつながり、社会的メリットは小さくない。 自動運転の歴史は東西冷戦の80年代に幕を開けたとされる。米軍が自律的に走行できる無人戦闘車両の開発に着手、冷戦終結後の90年代に開発は一時凍結されたが、01年に米国議会が「15年までに地上の3分の1の戦闘車両を無人化」する軍の計画を承認、開発が再開された。 その後、スタンフォード大学などで無人車両の技術開発をしていた研究者が07年頃にグーグルに移籍、同社がけん引するかたちで自動運転システムの研究開発が一層進んだ。そして10年頃には欧米で公道における自動運転車の走行実験が盛んに行われるようになった。 日本では完成車メーカーが13年に自動運転車の実験車両を公開したのを皮切りに、各社の開発競争が始
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