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技術革新と製薬企業の明日

腸内細菌叢が変える創薬

第78回 武田は目を付けたが、遅れる日本

生島准

2017年3月15日号

 代謝性疾患や循環器疾患を切り捨て、オンコロジーと消化器疾患、ワクチンに重点分野を絞った武田薬品。同社が熱い関心を抱いているのが、新しいヒトの臓器として認識されるようになった腸内細菌叢である。16年1月に仏エンテローム・バイオサイエンスと提携したのが、その証拠だ。15年は腸内細菌叢創薬のベンチャーの米ベダンタ・バイオサイエンシズとの提携交渉で、米ヤンセン・バイオテックに敗れたという話がある。これが本当なら、挽回策がエンテロームとの提携の意味だ。そこまで武田が執念を燃やす腸内細菌叢が創薬をどう変えてしまうのか。  ヒトの身体は約60兆個の細胞で構成されているが、私たちの腸管に存在する細菌の数は100兆個を上回る。こうした腸内細菌叢が、食品を代謝して有機酸などの代謝産物をヒトに供給したり、ヒトの免疫系を活性化したり、非常に幅広い作用を示...  代謝性疾患や循環器疾患を切り捨て、オンコロジーと消化器疾患、ワクチンに重点分野を絞った武田薬品。同社が熱い関心を抱いているのが、新しいヒトの臓器として認識されるようになった腸内細菌叢である。16年1月に仏エンテローム・バイオサイエンスと提携したのが、その証拠だ。15年は腸内細菌叢創薬のベンチャーの米ベダンタ・バイオサイエンシズとの提携交渉で、米ヤンセン・バイオテックに敗れたという話がある。これが本当なら、挽回策がエンテロームとの提携の意味だ。そこまで武田が執念を燃やす腸内細菌叢が創薬をどう変えてしまうのか。  ヒトの身体は約60兆個の細胞で構成されているが、私たちの腸管に存在する細菌の数は100兆個を上回る。こうした腸内細菌叢が、食品を代謝して有機酸などの代謝産物をヒトに供給したり、ヒトの免疫系を活性化したり、非常に幅広い作用を示す

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