泥沼人事は「再編総仕上げ」の引き金か

経済記事の読み方

泥沼人事は「再編総仕上げ」の引き金か

三井住友信託の行方（上）

2017年3月15日号

　人事はどんな話題にも増して人を惹きつけるが、2月に発表されたメガ信託グループの場合、交代の発表から人選の結果まで2ヵ月余りを要する異例のもので、金融業界の制度や版図を塗り替える可能性を秘めたニュースだった。これを読み解くには、三井住友トラスト・ホールディングス（三井住友ＴＨＤ）における10年来の足跡をしばらく辿る必要がある。　住友信託は金融激変の準主役でもあった。04年のＵＦＪ信託銀行買収劇から思い起こしてみる。　巨額の不良債権処理に窮したＵＦＪホールディングスは、傘下のＵＦＪ信託銀行を住信に売却して危機を乗り越えようとした。基本合意したものの、「買収額を値切ろうと住信がモタモタしている間に、三菱東京フィナンシャルグループが聞きつけて、かっさらってしまった」（事情通）。住信は訴訟を起こしたが一審で敗訴。その後控... 　人事はどんな話題にも増して人を惹きつけるが、2月に発表されたメガ信託グループの場合、交代の発表から人選の結果まで2ヵ月余りを要する異例のもので、金融業界の制度や版図を塗り替える可能性を秘めたニュースだった。これを読み解くには、三井住友トラスト・ホールディングス（三井住友ＴＨＤ）における10年来の足跡をしばらく辿る必要がある。　住友信託は金融激変の準主役でもあった。04年のＵＦＪ信託銀行買収劇から思い起こしてみる。　巨額の不良債権処理に窮したＵＦＪホールディングスは、傘下のＵＦＪ信託銀行を住信に売却して危機を乗り越えようとした。基本合意したものの、「買収額を値切ろうと住信がモタモタしている間に、三菱東京フィナンシャルグループが聞きつけて、かっさらってしまった」（事情通）。住信は訴訟を起こしたが一審で敗訴。その後控訴、

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