オーレ・ムルスコウ・ベックノボ・ノルディスクファーマ代表取締役社長

interview

2017年3月15日号

考え方次第ではチャンス──16年1月1日付で社長に就任され、1年が過ぎました。日本市場の印象はいかがですか。ベック　諸外国と比べると、日本の糖尿病薬市場は異なる気がする。日本の糖尿病患者さんは、発症する年齢が少し高めの方が多い。発症する理由についても、肥満などではなく、加齢や遺伝的素因もあると思う。　この特徴は、どんな薬が使われるかにも反映されている。日本で使用される糖尿病薬の80％は経口剤で、注射剤は20％未満と、欧米の構成とは大きく異なる。その違いは医学的、臨床的な理由でも十分示される。患者の多くは高齢者なので、認知機能や記憶の問題があり、体が弱っている方もいる。だから自己注射を教えるのが、より難しいとも思われがちだ。また、低血糖が起こる不安も大きい。　しかし、これにはひとつ問題がある。70歳代で糖尿病を発症したとしても、日本人には90歳、100歳と... 考え方次第ではチャンス──16年1月1日付で社長に就任され、1年が過ぎました。日本市場の印象はいかがですか。ベック　諸外国と比べると、日本の糖尿病薬市場は異なる気がする。日本の糖尿病患者さんは、発症する年齢が少し高めの方が多い。発症する理由についても、肥満などではなく、加齢や遺伝的素因もあると思う。　この特徴は、どんな薬が使われるかにも反映されている。日本で使用される糖尿病薬の80％は経口剤で、注射剤は20％未満と、欧米の構成とは大きく異なる。その違いは医学的、臨床的な理由でも十分示される。患者の多くは高齢者なので、認知機能や記憶の問題があり、体が弱っている方もいる。だから自己注射を教えるのが、より難しいとも思われがちだ。また、低血糖が起こる不安も大きい。　しかし、これにはひとつ問題がある。70歳代で糖尿病を発症したとしても、日本人には90歳、100歳とご長

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