「溝」深まる厚労省と化血研
事業停止の禊は済ませたが
2017年3月1日号
「事業譲渡を速やかにするように指導を続けたい」
16年10月19日午後4時過ぎ、省内で囲み取材に応じた塩崎恭久厚生労働相が神妙な面持ちで語った。同日午前に、化学及血清療法研究所とアステラス製薬の交渉打ち切りが報じられ、午後に両社が正式に発表した。塩崎厚労相の言葉遣いは丁寧ながらも、内心穏やかではなかっただろう。
もはや語るまでもないが、化血研は長い間、承認書と異なる製法で製剤を生産し、バレないよう巧妙な隠蔽工作を仕掛けた。それが明るみに出たことで、厚労省は16年1月に過去最長の110日間に及ぶ業務停止命令を下した。あまりの悪質さに「製造販売業の免許取消相当」とまで評されたが、扱う製品が人命に関わる血液製剤、ワクチンのため、「お家取り潰し」は免れた。ただ、事業存続には「化血研」の看板を外し、他社への事業譲渡が前提となってい...
「事業譲渡を速やかにするように指導を続けたい」
16年10月19日午後4時過ぎ、省内で囲み取材に応じた塩崎恭久厚生労働相が神妙な面持ちで語った。同日午前に、化学及血清療法研究所とアステラス製薬の交渉打ち切りが報じられ、午後に両社が正式に発表した。塩崎厚労相の言葉遣いは丁寧ながらも、内心穏やかではなかっただろう。
もはや語るまでもないが、化血研は長い間、承認書と異なる製法で製剤を生産し、バレないよう巧妙な隠蔽工作を仕掛けた。それが明るみに出たことで、厚労省は16年1月に過去最長の110日間に及ぶ業務停止命令を下した。あまりの悪質さに「製造販売業の免許取消相当」とまで評されたが、扱う製品が人命に関わる血液製剤、ワクチンのため、「お家取り潰し」は免れた。ただ、事業存続には「化血研」の看板を外し、他社への事業譲渡が前提となっていた
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