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間違いだらけのHTA

英NICEのPCSK9阻害薬の評価動向

第20回

東京大学大学院薬学系研究科 五十嵐中

2017年3月1日号

 高額薬剤の費用対効果について、さまざまな場面で話をする機会が増えてきた。講演であれ原稿であれ常に冒頭で触れているのが、「全薬剤が保険でカバーされる」ことを聖域化する状況から、財政状況を考慮して最適な医療システムを維持していく方法を考える方向へ世論を急転回させた「3隻の黒船」の話だ。3隻とは、①C型肝炎治療薬の「ソバルディ」と「ハーボニー」、②抗がん剤の「オプジーボ」、③高コレステロール血症治療薬の「レパーサ」を指す。  ソバルディ/ハーボニーは16年4月改定で特例拡大再算定の対象となり、薬価が約30%引き下げられた。オプジーボは16年4月改定には間に合わなかったが、期中改定と特例再算定の合わせ技で、2月から薬価が50%引き下げられた。両薬剤ともに費用対効果評価の試行導入の対象にも指定されており、企業のデータ提出と外部の再分析・総合的評価...  高額薬剤の費用対効果について、さまざまな場面で話をする機会が増えてきた。講演であれ原稿であれ常に冒頭で触れているのが、「全薬剤が保険でカバーされる」ことを聖域化する状況から、財政状況を考慮して最適な医療システムを維持していく方法を考える方向へ世論を急転回させた「3隻の黒船」の話だ。3隻とは、①C型肝炎治療薬の「ソバルディ」と「ハーボニー」、②抗がん剤の「オプジーボ」、③高コレステロール血症治療薬の「レパーサ」を指す。  ソバルディ/ハーボニーは16年4月改定で特例拡大再算定の対象となり、薬価が約30%引き下げられた。オプジーボは16年4月改定には間に合わなかったが、期中改定と特例再算定の合わせ技で、2月から薬価が50%引き下げられた。両薬剤ともに費用対効果評価の試行導入の対象にも指定されており、企業のデータ提出と外部の再分析・総合的評価を

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