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薬剤経済学

実務利用は尚早

抗がん剤の価値評価の枠組み

2017年3月1日号

 負担増から薬剤利用をあきらめる患者の存在、最適な薬剤処方に対する保険の利用制限─これまで治療費をほとんど気にすることがなかった専門医が薬価の高騰を批判するようになったのは、この数年の米国医療の目立ったトレンドで、典型例の抗がん剤では、臨床医主導による価値評価の枠組み開発が続いた。 先駆けは米国臨床腫瘍学会(ASCO)の価値の枠組み(Value framework)だ。これは2014年春に試案が示され、改良が重ねられている。費用も要素とするが、費用対効果比のような厳格な指針にはせず、患者個々の特性と好みを踏まえた薬剤選択のための意見交換の際、医師が用意する情報としての評価をめざしている。 しかし、その実践利用は最新の2016年改訂版でも時期尚早というしかない。カリフォルニア大学サンフランシスコ校でがんを専門とする臨床薬剤師8人が、価値の枠組みの指示...  負担増から薬剤利用をあきらめる患者の存在、最適な薬剤処方に対する保険の利用制限─これまで治療費をほとんど気にすることがなかった専門医が薬価の高騰を批判するようになったのは、この数年の米国医療の目立ったトレンドで、典型例の抗がん剤では、臨床医主導による価値評価の枠組み開発が続いた。 先駆けは米国臨床腫瘍学会(ASCO)の価値の枠組み(Value framework)だ。これは2014年春に試案が示され、改良が重ねられている。費用も要素とするが、費用対効果比のような厳格な指針にはせず、患者個々の特性と好みを踏まえた薬剤選択のための意見交換の際、医師が用意する情報としての評価をめざしている。 しかし、その実践利用は最新の2016年改訂版でも時期尚早というしかない。カリフォルニア大学サンフランシスコ校でがんを専門とする臨床薬剤師8人が、価値の枠組みの指示に

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