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薬剤経済学

利用低迷の理由

(下) エントレストの優れた費用対効果比

2017年2月15日号

 16年8月の欧州心臓病学会(ESC)で、ノバルティスの心不全治療薬「エントレスト」(S+V療法)への対応が分かれた。推奨論、慎重論があったなか、専門医の4分の1は使用中、3分の1は保険提供されたら用いると答えたが、4割は処方に積極的でなかった。 臨床的根拠は、承認申請に用いられたPARADIGM−HF研究に限られるが、米欧の医薬品当局でスピード承認され、専門学会もクラスⅠの自信を持ってガイドラインを改訂、この新薬を勧めている。 PARADIGM−HFのフォローアップ分析は、①低血圧頻度の懸念は誇張で、低血圧に伴う入院はむしろ少なく、②高カリウム血症リスクは緩和される。③QOL(生活の質)の減退度は低い一方で、④心不全入院後の早い段階の再入院を減らし、⑤余命追加効果は当初報告よりも大きいと示唆した(2月1日号)。2016年後半も、推奨論が続いている。 だが、...  16年8月の欧州心臓病学会(ESC)で、ノバルティスの心不全治療薬「エントレスト」(S+V療法)への対応が分かれた。推奨論、慎重論があったなか、専門医の4分の1は使用中、3分の1は保険提供されたら用いると答えたが、4割は処方に積極的でなかった。 臨床的根拠は、承認申請に用いられたPARADIGM−HF研究に限られるが、米欧の医薬品当局でスピード承認され、専門学会もクラスⅠの自信を持ってガイドラインを改訂、この新薬を勧めている。 PARADIGM−HFのフォローアップ分析は、①低血圧頻度の懸念は誇張で、低血圧に伴う入院はむしろ少なく、②高カリウム血症リスクは緩和される。③QOL(生活の質)の減退度は低い一方で、④心不全入院後の早い段階の再入院を減らし、⑤余命追加効果は当初報告よりも大きいと示唆した(2月1日号)。2016年後半も、推奨論が続いている。 だが、エン

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