医薬経済オンライン

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時流遡航

コンピュータから見た人間の脳

第3回 ─コンピュータとしての小脳機能が明らかに─

ジャーナリスト 本田成親

2017年2月15日号

01年時の伊藤正男氏 伊藤正男さん(東京大学医学部教授を経て、97年講演当時は理化学研究所所長)は大変な苦労の末に小脳の問題を解明したのですが、その業績で国際的にも高く評価され、ノーベル賞候補にものぼりました。意外にも小脳の情報伝達メカニズムは研究者の予想にまったく反するものだったのです。  テレビ画像の受信と同様に、情報伝達は電波を増幅するという考え方に立つのが普通です。ゆえに研究者は刺激を与えればそれが増幅され信号として伝わると考えたのですが、何と小脳の情報伝達メカニズムはまったく逆だったのです。ある刺激が入ってくると、それを増幅するのではなく刺激の強さを抑制するのです。刺激量を少なくし、その減少度の違いで情報を伝達していることが明かされたのです。それはコロンブスの卵の話にも似た大発見なのでした。  こうして小... 01年時の伊藤正男氏 伊藤正男さん(東京大学医学部教授を経て、97年講演当時は理化学研究所所長)は大変な苦労の末に小脳の問題を解明したのですが、その業績で国際的にも高く評価され、ノーベル賞候補にものぼりました。意外にも小脳の情報伝達メカニズムは研究者の予想にまったく反するものだったのです。  テレビ画像の受信と同様に、情報伝達は電波を増幅するという考え方に立つのが普通です。ゆえに研究者は刺激を与えればそれが増幅され信号として伝わると考えたのですが、何と小脳の情報伝達メカニズムはまったく逆だったのです。ある刺激が入ってくると、それを増幅するのではなく刺激の強さを抑制するのです。刺激量を少なくし、その減少度の違いで情報を伝達していることが明かされたのです。それはコロンブスの卵の話にも似た大発見なのでした。  こうして小脳と

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