読む医療—医師が書いた本の斜め読み—
小説を通じた尊厳死のメッセージ
第66回
鍛冶孝雄
2017年2月1日号
このコラムの読書子の私は、年齢を重ねるなかで小説を読む量が相対的に減ってきた。毎月2〜3冊の小説雑誌を広げるが、すべてを読むことはない。どうして小説を読むことに気が重くなっているのか、自分でもよくわからないが、小説のなかで積み重なる多様な人々の思いが煩わしくなっている、のは確かだ。
若い頃から小説をジャンルで選択する習慣はなく、今でも変わらない。面白そうであれば何でも読む。ただ、最近の小説雑誌の作品は、トレンド重視の編集者の意向が強すぎるように感じる。誤解を恐れずに言えば、医療小説にもわずかだがその香りを感じることがある。しかし、それを小説と感じなければ、書棚には手が伸びている。
今回読んだのは、南杏子氏の作品『サイレント・ブレス』(幻冬舎)。書下ろしで16年9月に上梓された。著者は東京都内の終末期専門病院に勤...
このコラムの読書子の私は、年齢を重ねるなかで小説を読む量が相対的に減ってきた。毎月2〜3冊の小説雑誌を広げるが、すべてを読むことはない。どうして小説を読むことに気が重くなっているのか、自分でもよくわからないが、小説のなかで積み重なる多様な人々の思いが煩わしくなっている、のは確かだ。
若い頃から小説をジャンルで選択する習慣はなく、今でも変わらない。面白そうであれば何でも読む。ただ、最近の小説雑誌の作品は、トレンド重視の編集者の意向が強すぎるように感じる。誤解を恐れずに言えば、医療小説にもわずかだがその香りを感じることがある。しかし、それを小説と感じなければ、書棚には手が伸びている。
今回読んだのは、南杏子氏の作品『サイレント・ブレス』(幻冬舎)。書下ろしで16年9月に上梓された。著者は東京都内の終末期専門病院に勤務
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