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ゲノム医療は「飛躍の年」

第76回 リキッドバイオプシーの実力

生島准

2017年1月15日号

 期待だけが先行する日本のゲノム医療だが、ようやくゲノム医療を大きく飛躍させる基盤が、昨年末に生まれた。リキッドバイオプシーの実用化である。  ゲノム医療を実際行うためには、患者の病巣のDNAを解析しなくてはならない。そのため内視鏡による鉗子や経皮的に細い針を突き刺して、がんなどの組織を採取する生検(バイオプシー)が必要だった。だが、患者には大変な負担で、医師も頻繁に頼むことが難しい検査だった。それでも生検なくしては、患者ごと、そして病状に応じて、最も適切な医療を提供するというゲノム医療の本来の目的を到底遂げることはできない。  15年11月から厚生労働省で議論が始まったゲノム医療タスクフォースの議論も、出生時のゲノム変異で疾患が発生する単一遺伝性疾患にとどまり、限定的なゲノム医療の姿しか描けなかった。こうした疾患...  期待だけが先行する日本のゲノム医療だが、ようやくゲノム医療を大きく飛躍させる基盤が、昨年末に生まれた。リキッドバイオプシーの実用化である。  ゲノム医療を実際行うためには、患者の病巣のDNAを解析しなくてはならない。そのため内視鏡による鉗子や経皮的に細い針を突き刺して、がんなどの組織を採取する生検(バイオプシー)が必要だった。だが、患者には大変な負担で、医師も頻繁に頼むことが難しい検査だった。それでも生検なくしては、患者ごと、そして病状に応じて、最も適切な医療を提供するというゲノム医療の本来の目的を到底遂げることはできない。  15年11月から厚生労働省で議論が始まったゲノム医療タスクフォースの議論も、出生時のゲノム変異で疾患が発生する単一遺伝性疾患にとどまり、限定的なゲノム医療の姿しか描けなかった。こうした疾患では

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