一筆入魂
「土人」と呼ばれた島を訪ねて思うこと
「青い海」の奥に潜む沖縄の被差別感の源水
ノンフィクション作家 辰濃哲郎
2017年1月1日号
16年11月1日号のこの欄で「ニュースの本質を探ると見えるもの」で、「土人」発言を取り上げた。
この発言が沖縄でどう受け止められているかを知りたくて、12月初め、NAHAマラソンに参加するのを機に現地を歩いてみた。
大会を終え、その足で沖縄市を訪ねた。十数年来の友人である70歳代のご婦人Sさんに会うためだ。
72年の沖縄の本土復帰前、パスポートを持って本土に渡り、看護師の資格を取って横浜で働いた。乳がんを患って完治したものの夫に先立たれ、20歳の一人娘も亡くした。やっと立ち直ったと思ったら、乳がんが再発した。不遇に見舞われた彼女は昨年、兄弟のいる故郷の沖縄に帰ってきた。
翌日、彼女と一緒にレンタカーで、4月に米軍の元軍属に殺害された20歳の女性が遺棄されていた現場に向かった。
恩納村安富祖の雑木林の一角に、いまでもデンドロビウムなどの蘭やハイビ...
16年11月1日号のこの欄で「ニュースの本質を探ると見えるもの」で、「土人」発言を取り上げた。
この発言が沖縄でどう受け止められているかを知りたくて、12月初め、NAHAマラソンに参加するのを機に現地を歩いてみた。
大会を終え、その足で沖縄市を訪ねた。十数年来の友人である70歳代のご婦人Sさんに会うためだ。
72年の沖縄の本土復帰前、パスポートを持って本土に渡り、看護師の資格を取って横浜で働いた。乳がんを患って完治したものの夫に先立たれ、20歳の一人娘も亡くした。やっと立ち直ったと思ったら、乳がんが再発した。不遇に見舞われた彼女は昨年、兄弟のいる故郷の沖縄に帰ってきた。
翌日、彼女と一緒にレンタカーで、4月に米軍の元軍属に殺害された20歳の女性が遺棄されていた現場に向かった。
恩納村安富祖の雑木林の一角に、いまでもデンドロビウムなどの蘭やハイビスカ
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