眺望「医薬街道」
乖離の大きい薬効群で毎年改定を
近藤正觀
2016年12月15日号
薬価制度改革論議が大詰めを迎えている。12月7日、政府の経済財政諮問会議で、民間議員から全面改定を毎年実施する意見が出されたことを受け、官邸主導で毎年改定の改革案がつくられることとなった。安倍晋三首相の指示に注目が集まり、ここでは中央社会保険医療協議会の存在は霞んでしまっている。 本来、薬価に関することは中医協の所管だが、国家予算を握る財務省は薬剤負担が医療保険制度に甚大な影響を与えるとして削減に躍起だ。オプジーボは日本発の画期的新薬だが、苦し紛れの推測に基づく販売予測をもって、薬価が50%切り下げられることが決まった。委員は切り下げを甘受した小野薬品に対して、感謝しなければならないはずだが、薬価算定方式に責任を擦り付けている。 薬価算定方式に問題があることは衆知の事実である。時代とともに見直していくことに反対する人はいないだろう。しかし、...
薬価制度改革論議が大詰めを迎えている。12月7日、政府の経済財政諮問会議で、民間議員から全面改定を毎年実施する意見が出されたことを受け、官邸主導で毎年改定の改革案がつくられることとなった。安倍晋三首相の指示に注目が集まり、ここでは中央社会保険医療協議会の存在は霞んでしまっている。 本来、薬価に関することは中医協の所管だが、国家予算を握る財務省は薬剤負担が医療保険制度に甚大な影響を与えるとして削減に躍起だ。オプジーボは日本発の画期的新薬だが、苦し紛れの推測に基づく販売予測をもって、薬価が50%切り下げられることが決まった。委員は切り下げを甘受した小野薬品に対して、感謝しなければならないはずだが、薬価算定方式に責任を擦り付けている。 薬価算定方式に問題があることは衆知の事実である。時代とともに見直していくことに反対する人はいないだろう。しかし、突
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