現場が望む社会保障制度
目的が曖昧な「地域医療構想」を考える
第19回
東京財団研究員兼政策プロデューサー 三原 岳
2016年12月1日号
19世紀フランスの小説家、オノレ・ド・バルザックは役人について、書類づくり以外に能力を持たない人間であるとし、書類好きなフランスの官僚機構が文房具商を潤していると痛烈に皮肉った(『役人の生理学』)。06年公開の映画『県庁の星』でも主演の織田裕二演じるエリート県庁職員が「俺たち、書類つくれてなんぼだろ」と話す場面がある。どうやら書類づくりに対する役人の拘りは洋の東西、時代を問わず同じらしい。
では、団塊世代が75歳以上を迎える25年に向け、医療提供体制の将来像を示すとされる「地域医療構想」はどうだろうか。都道府県による策定作業が続けられており、先行した地域では構想を踏まえた議論もスタートしている段階であり、その成否はこれから問われる。
しかし、この構想が単なる「紙の無駄」に終わるのか、実りある内容になるのか絶えず検...
19世紀フランスの小説家、オノレ・ド・バルザックは役人について、書類づくり以外に能力を持たない人間であるとし、書類好きなフランスの官僚機構が文房具商を潤していると痛烈に皮肉った(『役人の生理学』)。06年公開の映画『県庁の星』でも主演の織田裕二演じるエリート県庁職員が「俺たち、書類つくれてなんぼだろ」と話す場面がある。どうやら書類づくりに対する役人の拘りは洋の東西、時代を問わず同じらしい。
では、団塊世代が75歳以上を迎える25年に向け、医療提供体制の将来像を示すとされる「地域医療構想」はどうだろうか。都道府県による策定作業が続けられており、先行した地域では構想を踏まえた議論もスタートしている段階であり、その成否はこれから問われる。
しかし、この構想が単なる「紙の無駄」に終わるのか、実りある内容になるのか絶えず検証す
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