薬剤経済学
支払いの意向から見た抗がん剤の価値(前)
2016年12月1日号
非加味する生存年数の価値から、総便益は所用薬剤費の2.85倍、正味の便益も薬剤費の1.85倍に及ぶ——ジェネンテックの研究者らは簡明な方法で、その高い価値を強調した(11月15日号)。先駆的な分子標的型抗がん剤はいろんな評価法で好意的な位置付けを得ている。 1996〜2012年に公表されたリンパ腫、白血病(骨髄性とリンパ性)、多発性骨髄腫の4タイプ、9つの血液系抗がん剤に関する44の費用対効果比分析(CEA)を見ると、5%は費用節減、73%がQALY当たり費用5万ドル内に入り、10万ドルを超したのは9%だけ。高額でも総じて優れて経済的な治療法という結果だった(表1)。これはタフツ医療センター(ボストン)のカイラ・サレットらがCEAデータベースを用いて行った分析で、リツキサンのQALY当たり費用(中央値)は2.15万ドルと群を抜いていた(「血液系悪性腫瘍製剤におけるイノベー...
非加味する生存年数の価値から、総便益は所用薬剤費の2.85倍、正味の便益も薬剤費の1.85倍に及ぶ——ジェネンテックの研究者らは簡明な方法で、その高い価値を強調した(11月15日号)。先駆的な分子標的型抗がん剤はいろんな評価法で好意的な位置付けを得ている。 1996〜2012年に公表されたリンパ腫、白血病(骨髄性とリンパ性)、多発性骨髄腫の4タイプ、9つの血液系抗がん剤に関する44の費用対効果比分析(CEA)を見ると、5%は費用節減、73%がQALY当たり費用5万ドル内に入り、10万ドルを超したのは9%だけ。高額でも総じて優れて経済的な治療法という結果だった(表1)。これはタフツ医療センター(ボストン)のカイラ・サレットらがCEAデータベースを用いて行った分析で、リツキサンのQALY当たり費用(中央値)は2.15万ドルと群を抜いていた(「血液系悪性腫瘍製剤におけるイノベーショ
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